日別アーカイブ: 2016年5月14日

日仏国際共同クリエーション 「The Wonderful Parade」日記−3

3日目。
今日は昨日とまた違う、光と闇のアプローチ。
細かいミリ単位の照明の仕掛けを、出演者みんなも一緒に創る。
なぜなら、フランス、ベルギー11都市の「無礼講」招聘公演ツアーの時、いかに演出家も、出演者も、
みんなが照明についての知識が必要であることを思い知ったから。
いろんな空間の劇場、毎回違うテクと、自分達のショーを最大限のクォリティでお客さんに見せることができるかは、短い仕込み時間で、と考えると、自分達もできるのがベスト。

はなび日記3

今回の公演も来年1月には神戸公演も決定しているし、もちろんフランス公演もツアーもしていきたい。
そして、この闇と光のトリックは、ミリ単位の作業が必要なので、やはりわかってできる人数が多ければ多いほどいい。
そう思って、照明作業はこちらでやっておくから、その間に俳優はオブジェを作っておくか?と聞かれたけど断り、照明作業に参加。
パスカルは逆にこう言った。
「スタッフも、このトリックの中でペットやオブジェを操ったり、演技するべきだ。俳優の動きや気持ちを知る必要がある。出演者もスタッフも1つのクリエーションをみんなでやるという点でそれぞれのプロフェッショナルがお互い同じ出発点にたつためにもね。」と。
なので照明の丸さんも後半の演技の時間には操り手として参加。

今日は自分達で自由に好きなパペットを作って、光と闇の中で動かしてみよう、とパスカルの提案。
2チームにわかれて思い思いに作る。
ヤノミ&丸ちゃんチームは布と綿でへび。2人でへび。

はなび日記3−2

はなび&コッペ&かよでウレタンを切り抜いた小さな女の子の人形。
15センチくらいの人形を3人で操る。
この小さな人の操り手に3人!

はなび日記3−3

交代でショーイング。
丸ちゃんとヤノミちゃんは、「パペット1つ」というお代なのに、頼まれてもないヘビのうんちをこっそり作って、最後にいきなりヘビの人形の中から披露してみんなを湧かせていた。
パスカルも大喜び。
はなびチームはなかなか3人の息があわず女の子の動きがぎくしゃく、おかしな動きに。
それがかえって面白く、みんなも爆笑。
1人で操るより、数人で操るほうが、凄く繊細な動きや表情が豊かに出て本当に面白い。
物、人形にも操り手側のプレジャー(喜び)が伝わり、観客にも伝わるのがとてもよくわかった。
ノリも迷いも伝わる。
小さな小さな人形達と人との物語はそれはそれは面白かった。

はなび日記3−4

はなび日記3−5

パスカルは
「オブジェを動かす時はまず衝動。人形が行きたい方向や動きを決める。
操り手の身体は後から少し遅れてついてくる。
人形が、決めるんだ。
それは、とってもとっても繊細なこと。
少しずつ、少しずつはじめよう。」
大きな劇場だとできない、
小さな劇場ならではの物語を小さな登場人物達と創ってみたい。
想像の世界からやってくる、これから出会う小さな共演者。

http://tormansion.com/re_parade

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日仏国際共同クリエーション 「The Wonderful Parade」日記−2

パスカル2日目。
今日から稽古場入り。

床には黒パンチをはって、壁には黒幕をつって
ブラックボックスを創るところからはじめました。
「闇の演劇」はもちろんだけど、闇を作ることが重要で、ハレーションがおこらないようにチェック!
そして、照明が超重要!!
綺麗にくっきりと光のラインと闇のラインがわかれるように仕掛けを丁寧に。
パスカルは凄く凄く丁寧に、
「僕が言うこと、やることを全部メモを取ってね。フランスで教えた生徒達はいくらいってもメモをとらないから、僕の秘密はある意味守られてるんだけどね。」と笑いながら教えてくれました。
私達は一言一句、必死でメモ!

そして、闇から現れ、光から消える魔法を目の前に、出演者一同驚きの声。
オブジェを自分達の手で創り出し、
いろんな動きやオブジェを使って
「こうは?」「こう動いてみたら?」
と、どんどんアィデアも出て、
パスカルも、「さすがだね。」と。
「いつだってトリックは一つの入り口にしかならない。僕は入り口までは連れていってあげることはできるけど、その先の物語をどう創るかが、それぞれのアーティスト次第だよね。」
夕方はハンズに素材を探しに。
どんな素材に命を吹き込むことができて、どんな表情を見せるのか。
触ってみたり、想像してみたり。
「とにかくどんなアィデアもやってみないことにはわからないからね。」とパスカル。

夜は舞台美術の野口碧ちゃんと、オブジェクト協力をしてくれるOkkちゃんと稽古場の映像を見せながら打ち合わせ。
パスカルは舞台美術の碧ちゃんが頭で考えたイメージを劇場図面におこしながら、光と闇のトリックのいかしかたを考えてくれた。
けど、みんなでいろんな可能性を話し合った結果、パスカルのトリックを考えると、何もないのが一番面白いんじゃないか、と。
何もない空間に、人間のイマジネーションが立ち現れさせ、演者にも、観客にも最大の驚きをもたらす。
今回は、特に、そうなのだと思う。
私が仏領ギアナの演劇祭で観たパスカルのワークショップショーイングもただの倉庫だった。
倉庫が暗闇になり、光が入った瞬間、奥行きも地面も天井もどこまであったのかわからなくなり、無限の空間に自分が浮かんでるみたいな感覚になって、「えっ……」と目を丸くしたことを鮮明に覚えている。
「はなびさんが言ってたのはこれだったんですね…!」とコッペちゃん。
あの不思議な体験は、舞台芸術でしか体験できない。
ヤノミちゃんも、
「フランスからやって来た照明の魔術師パスカル氏と創る闇の演劇。鳥肌が立ちまくり!昔から魔法使いになりたかった私は「魔法ってこうやって創るのかぁ!」と感動の連続。舞台芸術の魔法はどんなマジックよりも感動が大きい。なぜなら全てが生身だから。アイディアと技術と作業と稽古。手でつくる。」
とTwitterに書いてくれていた。
本当にその通り。

生身で目の当たりにした人達だけが体験できる特別な魔法。
パスカルが入り口まで連れて行ってくれる。
そこから先の物語は、
私自身が創るものでもあるし、
さらにその先は、
お客さん一人一人の特別な、特別な物語。

http://tormansion.com/re_parade

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日仏国際共同クリエーション「The Wonderful Parade」日記−1

日仏国際コラボレーション
「The Wonderful Parade」1

はなびです。
スペインからの帰り、フランス経由にして、パスカルと一緒に日本へ。
パスカルはフィリップ・ジャンティカンパニーで長年創作を共にし、フランス演劇界を支える光と闇のトリック照明演出家。
早速パスカルが持って来てくれたワインをいただきつつ、コラボレーション公演の話。
パスカルは、to R mansionの公演を仏領ギアナの演劇祭と、パリ公演と2回観てくれています。

パスカルは、
「toRの持ってる明るい身体のエネルギーや、はちゃめちゃな遊びの想像力、詩的な美しさはもっと「闇の演劇」の手法で面白く見せることができるだろうし、それを一緒に探求しよう。
闇から人が表れて消えるのも、急に何メートルもの巨大なものを出現させるのも、空間を驚きの広さに感じさせるのも、人を宙に飛ばすのもなんでも可能だよ。
重力を感じさせないトリックについても一緒に考えよう。
大きなファンタジーはほんの小さなトリックで創り出すことができる。
君達に秘密を沢山教えてあげるよ。」
と。
なんだかワクワクで身体が破裂しそう。
かよちんと喜んで小躍りしてたら
「まだ獲ってない熊の皮の価値を考えないでね。」と戒められました。
もう、この日々をめいっぱい頑張りたい!!!

せっかくのパスカルとの共同制作なので日記も書いて、日々のことや、パスカルのいい話など沢山発信できたらなと思いますが、創作と本番とどれくらい余裕あるかしら…!
自分がどうなってるのかすら想像つかない。
ついに「The Wonderful Parade」という名前の大きな船が出発する音がする。
出演者もスタッフもみんな人も仕事も素晴らしく信頼できる人達ばかり。
舵を握る手も緊張で汗ばむけど、ダイナミックに愉快な航海に。
辿りつく世界はどんな景色なんだろう。
それは、これから少しずつ見えてくるだろう。

http://tormansion.com/re_parade

はなび日記1

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